九十歳。何がめでたい

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佐藤愛子小学館
☆☆☆
とてもたくさん売れているというので、買ってみました。

 

刺激的なことが書かれているわけでなく、得になることが書かれているわけでもありません。九十歳のおばあさんが日ごろ不満に思うことを書きなぐっているだけです。その内容も常識的なことで、突飛なことは何も書いてありません。

 

「なんで、こんな本がベストセラーになったんだろう?」

 

というのが、正直な感想です。

 

理由の一つに考えられるのが、佐藤愛子さんの年齢でしょう。二十代の若者がここに書いてあるようなことを書いても、

 

【何言ってやがる、若造が!】

 

と反発され、ネットで炎上してしまうかもしれません。九十歳という年齢が発言に重みを与えていることはたしかです。

 

あと、もう一つ。正論を振りかざして、他人を攻撃する馬鹿が増えたことの反動かな、と思いました。

 

ことわっておきますが、常識と正論は違います。常識は現実を考慮していますが、正論は純粋に正しいだけで、現実を考慮していません。正しいので、正論に反対するのは難しいのですが、世の中、正しいことだけで回っているわけじゃないので、正論の多くは机上の空論です。

 

今の日本には、ワイドショーやネットで正論を声高に叫ぶ馬鹿が多くて、うんざりしている人も多いはずです。そんなおり、佐藤愛子さんが、この本に常識的なことを書かれているのを見て、「ホッ」としたのではないでしょうか。

 

ちょっと長く生きて、知恵のある人ならば一度は考えたことが書いてあるので、刺激を受けるためとか、勉強のためとかで読むのではなく、共感を得るために読むエッセイだと思いました。