チェロとの別れ

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「チェロの音って素敵だなぁ」


といつも思っていました。
40歳の誕生日に区切りがイイので何か記念になるものを買いたい!と思い立ち、入門セットを30万円で買いました。

 

チェロを買ったものの仕事が忙しくて習いに行くことなく過ごすうち、私は仕事の重圧に耐えられず、うつ病になって20年勤めた役所を辞めました。仕事を辞めた直後は何をする気もおきず、一日布団をかぶって過ごしていたんですが、病状が快復してくるとヒマで退屈を感じるようになり、

 

「いい機会だからチェロを習いに行こう!」

 

と考えるようになりました。ですが、無職で収入が無いとお稽古ごとなんて優雅なことは考えられないので、まずは社畜にならずに済むアルバイトを探すことにしました。ところが、時給800円のアルバイトならすぐに見つかるだろうなんて考えが甘かった!就職活動すること1年2ケ月、約60社に履歴書を送付して全敗。そして、さる1月8日に行われた独立行政法人水資源機構の面接ではこれまでで一番悲しい気持ちにさせられました。

 

1月8日14時26分に私の携帯が鳴りました。


水資源機構の担当者:「これから面接をするので今から来られますか?」
私:「えっ、今からですか?」
水資源機構の担当者:「たくさんの人から応募があったので・・・」
私:(何が言いたいんだろう?たくさんの応募があったから、嫌なら来なくていいよ、ということか?)「今日じゃないとダメですか?」
水資源機構の担当者:「はい」


行かなければ当然、採用されないわけですから「行きます」と答え、片道1時間かけて指定された面接会場に行きました。

 

~面接会場にて~
水資源機構の担当者:「志望の理由は?」
私:「就業時間が希望と一致していたからです」
水資源機構の担当者:「健康ですか?」
私:「はい」
水資源機構の担当者:「採用されたら定期的な休みを取りますか?」
私:「いいえ」
水資源機構の担当者:「何か質問はありますか?無ければ面接は以上です」
私:(えっ!たったこれだけで終わり!!!)

 

水資源機構の担当者は終始、不機嫌な表情で、面接時間は3分くらいでした。直接会って雰囲気を確かめたいのは分かりますが、採用する気が全く感じられない面接って失礼だと思うんですよね。立場が強いのをかさに着て、気軽に呼びつけた水資源機構の担当者への怒りで当日の夜は眠れませんでした。そして、結果は当然、不採用。翌日、電話で不採用を告げられたのですが、悔しくて相手が喋っている途中で電話を切ってやりました。その後、理不尽な目にあわされても何の仕返しもできない今の自分の身の上が悲しくなりました。

 

「もぉ、優雅にお稽古ごとなんて一生できないな・・・」

 

と思ってしまい、1月10日、チェロを背負って中古楽器の店に行ってきました。買い取り価格は6万円。

 

「買ったときの5分の1になっちゃったな」

 

まるで自分自身の価値が5分の1になってしまったように感じられ、転落する今の自分をしみじみと思い知らされました。せめて売ったチェロが次はちゃんと弾いてくれる人の手に渡って綺麗な音色を奏でてくれることを祈るばかりです。

 

2008年に、ルーマニアで製作された明るいオレンジ色のニスが塗られた、裏板の虎目が美しいチェロを中古で購入された方、万一このブログを読んだならコメントにちゃんと練習していると知らせて下さい。