はとの神様

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関口尚集英社
☆☆☆
虐待を繰り返す母親を持つみなと。浮気を繰り返し、稼いだお金のほとんどを鳩レースにつぎ込んでしまう父親を持つ悟。自分が暮らしている街が嫌いなユリカ。それぞれ、ここではないどこかへ逃げ出したい小学生3人が迷子になったレース鳩を助けたことから物語が始まります。3人はユリカが飼っているレース鳩を連れて家出をします。目的地は稚内稚内でレース鳩を放すために。
3人は無事に稚内にたどり着けるのか?、放した鳩は自分の鳩舎へ帰れるのか?、といったことはネタバレになるのでここでは書きません。

 

小学生編が終わったあと、第二部といった感じで30代になったみなとと悟の物語が始まります。二人は奇妙な友情と鳩レースを通じて交流を続けていたのです。
虐待をする母親を憎んでいたはずなのに自分も似た女性と付き合うことになったみなと。自分は一人の女性を愛し続けるのだと子供の頃に誓ったはずなのに父と同じように浮気をしてしまい、離婚に至った悟。

 

思うにまかせないこの世を、それでも二人は生きていきます。物語の中で二人を取り巻く問題がすっきり解決するようなことはありませんが、再生の予感が感じられるラストで終わっていたので読後は爽やかでした。

 

鳩を通じて人生を考えさせるというのもの珍しい物語ですし、鳩レースのウンチクも散りばめられていたので私は最後まで飽きずに読み終えることが出来ました。