月のうた

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穂高明、ポプラ文庫
☆☆☆
小学2年生のときに母親を亡くした民子が大学に合格して上京するまでのお話です。

 

お話は《民子》と民子を取り巻く人々である《父親の再婚相手》、《無くなった母親の親友》、そして《父親》を主人公にした短編4つから成り立っています。

 

主人公にならない登場人物の中には意地悪な人も出てきますが、短編の主人公になった人々はどれも不器用ながら心優しい人ばかりです。主人公たちは相手のことを大事に思っているのですが、それを上手く伝えられません。そのことが読んでいて愛おしくなります。

 

民子の母親が若くして亡くなること以外はショッキングなことは起きませんが、それが私にはどこにでもいる市井の人々のささやかな暮らしを感じさせてくれてとても良かったです。切なくて、温かな家族の物語です。