煙突の上にハイヒール

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小川一水、光文社
☆☆☆
5つの短編が納められたSF小説です。

 

SF小説と言っても、何百年も未来の世界を舞台にしたお話しではなく、百年以内に実現できそうな世界観のように私は思いました。主人公たちは現在の私たちとほとんど変わらない日常生活を送っていて、近い将来に実現しそうな物(ランドセルのように背負うことで空を飛ぶことが出来る機械とか)を使って生活しています。

 

お釈迦様の言葉とか、論語なんかの古典を読んでいて

 

『技術は進歩したけど、人間はちっとも進歩してないな』

 

と思った方はいませんか?この物語に登場する近未来の主人公たちもまだ私たちの世界にはない物を使って便利に生活しているのですが、考えたり、やっていることは私たちと少しも変わりません。結婚詐欺にあって傷ついたり、恋をしたり、失恋したり・・・。読みながら、千年以上昔に書かれた古典に共感できるのだから、百年後の人たちもきっと私たちと同じようなことで悩んでいるんだろうなぁ、としみじみ思いました。

 

久しぶりにSFを読みましたが、舞台が宇宙空間とかではなかったせいで、すんなりと物語の中に入り込むことが出来て、楽しく読むことが出来ました。