有頂天家族

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森見登美彦幻冬舎文庫
☆☆☆
人や物に自在に化けることができる狸たちが京都を舞台に所狭しと駆け回るファンタジーです。

 

登場する狸たちは人間顔負けな社会的生活を営んでいて、メンツやしがらみに縛られて暮らしています。

 

主人公の狸、矢三郎は名門・下鴨家の三男です。

 

『面白きことは良きことなり!』

 

が口癖で、面倒なことが大嫌い。偉大な狸の頭領であった父親が亡くなったあと、名門・下鴨家を盛り立てる期待をかけられますが、さっさと身を引いて遊興にふけっています。

 

跡目を継ぐはずの長男は責任感は強いのですが、修羅場に弱く、次男は「息をするのも面倒くさい」と言って蛙に化けて井戸の底に引きこもり、四男は気が弱くて泣き虫です。兄弟の誰もが偉大な父親の器に遠く及びません。

 

こんな兄弟たちでは京都の狸界に睨みが効くわけもなく、たちまち権力争いが勃発し、兄弟たちは否応なく巻き込まれていきます。そこへ天狗や人間たちの思惑も絡んで、京都の町は大騒動です。

 

一人一人の力は偉大な父親に及びませんが、危機に際して4兄弟が力を合わせて困難に立ち向かいます。矢三郎の運命や如何に!