うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

海色の午後

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唯川恵集英社文庫
☆☆☆
最先端の技術を身につけて男と変わらずに働き、恋はするけれど精神的に男に依存することはない、そんな自立したカッコイイ女性が主人公の物語です。

 

主人公の野口遙子はコンピューターのシステムエンジニアをしながら、海の見えるマンションで一人暮らしをしています。

 

遙子はあまり気にしていないのですが、適齢期をむかえた同世代の女性たちは結婚についてあれこれと頭を悩ましています。この物語は、そんな適齢期の女性たちの心の動きについて書かれた作品です。

 

この作品は、約1時間で読み終えることができる短編小説です。なので、お見合いで結婚を決めてしまう友達や職場の男性と駆け落ちしてしまう同僚など、遙子が結婚について考えるきっかけになる事件が起こるのですが、遙子の反応が紙面の制約によって

 

『そんなこともあるのか。』

 

くらいの描写にとどまってしまっているのが残念な気がしました。

 

この作品は1984年に書かれた本なのですが、この内容から、あなたは遙子の年齢をいくつくらいに思いますか?なんと、22歳です!今は20代前半で結婚に焦っている女性なんていないと思います。

 

遙子の言動はとても落ち着いていて、22歳とは思えません。今、AKBで活動している22歳の女の子たちとは大違いです。

 

31年前の日本を舞台にした小説なのですが、違う時代の外国の話のように感じるのは私だけでしょうか?10年は《ひとむかし》ですが、31年は《おおむかし》ですね。