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ふたり

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赤川次郎新潮文庫
☆☆☆
とても有名な作家ですけど、今回初めて赤川さんの小説を読みました。勝手に、赤川次郎さんを軽くて、キラキラした小説を書く方だと思っていたので、予想外の作品でした。

 

仲の良い姉妹が登場するのですが、姉は物語が始まってすぐに交通事故で死んでしまいます。その死んだ姉は主人公の実加の内部に住みついて、実加の成長を助けることになります。

 

凄惨な事故現場を実加が目の当たりにしたことも意外でしたが、このあとの展開も苦いお話が続いていきます。姉の事故死をきっかけに母親が心の病気になってしまったり、実加が性犯罪者に強姦されそうになったり、高校で入部した演劇部で陰湿な嫌がらせを受けたり、そして・・・

 

もちろん、実加には大事な場面で助言してくれる姉や親友、ボーイフレンドがちゃんといて孤立無援というわけではないのですが、次から次に降りかかってくる困難に読んでいて、実加のことが気の毒になってしまいます。

 

物語の最後で実加を襲う逆境なんかは、私だったら絶対に心がポッキリ折れてしまうヘビーなもので、そんな中でも実加は理性を失わず、自分が出来ることをキチンとやり遂げます。

 

実加が困難を卓越した能力で解決するわけでも、思わぬ幸運が巡ってハッピーエンドになるお話でもありませんが、どんなときも義務を放棄しない実加の姿に感動させられるお話でした。