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遠まわりして、遊びに行こう

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花形みつる理論社
☆☆☆
彼女に振られて一か月間、一人暮らしのアパートで、昼夜逆転のひきこもり生活を送っていた大学生の新太郎(18)が、やっとやる気を取り戻しアルバイトを探していると、子供を遊ばせるための塾、【游游館】のスタッフ募集の張り紙に目が留まりました。

 

面接のために游游館を訪ねると、そこは個人経営のこじんまりした塾で、50代前半に見える正宗が1人で運営していました。いい加減そうに見える外見そのままに、正宗は面接も適当で、新太郎はあっさり採用となります。

 

小学生と週一で遊んでお金がもらえるとばかり思っていた新太郎ですが、そこは個人経営の塾、きっちりした役割分担があるわけじゃなく、手が空いているなら、何でもさせられます。一か月も人との交流を絶ってきた新太郎の初仕事は中学生相手の学習塾講師でした。

 

そんなことがあった直後、新太郎は実家から仕送りの大幅な減額を通告されます。授業料以外の生活費を稼ぎながら大学に通わなければならなくなってしまいました。これでは游游館を辞めることはできません。

 

大手の塾のように決まったカリキュラムがあるわけじゃないし、授業中の生徒は中学生も小学生もいたって自由にしています。生徒が授業中に寝ていたって、正宗は注意もしません。少しも注意を聞かない小学校低学年の子供たちなんかは、新太郎にしてみるとお猿さんと一緒です。

 

無秩序を絵に描いたような小学生、新太郎を舐めきっている中学生、後からアルバイトに加わった女子大生からの好意の視線、何を考えているんだか分からない正宗、などの色々を抱えながら、游游館で子供たちとの交流を通して、新太郎が成長していく物語です。