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幸せの条件

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誉田哲也中央公論新社
☆☆☆
この本は実写ドラマ化したら面白いんじゃないか、と思いながら読みました。

 

主人公は瀬野梢恵(24)、三流私立大学の理学部を卒業し、就職活動するも思うような成果は得られず、理科の実験で使うガラス器具を作る会社に拾ってもらったおかげで、職を得ています。

 

不器用で、やる気が無いので、制作現場でも営業でも使ってもらえず、誰でもできる伝票整理を勤務時間の間だけやって、定時になると同僚の邪魔にならないように静かに帰宅する生活を送るようになって2年経ちました。頭では、

 

『こんな優しい会社には感謝しなきゃいけない。』

 

と分かっているのですが、会社に行くのが憂鬱で仕方がありません。そんなある日、梢恵は社長から突然、無茶な命令を受けます。一人で長野の農村へ行って、バイオエタノールの原料になる稲を作付してくれる農家を探してこい、と言うのです。

 

社会人になってから、誰でもできる簡単な仕事を言われるままにやるだけでお給料をもらっていた梢恵の生活が一変します。農業の知識なんて無いし、長野の農村には縁もゆかりもありません。そして何より、そこでは自分で考え、自分で行動しなければならないのです。

 

東京で、無気力に生きていた梢恵が長野の農村で出会った人たちから影響を受けて、少しずつ変わっていきます。長野で奮闘中に起こった東北大震災は梢恵にエネルギー問題を考えさせるきっかけを与えます。梢恵が、どんな風に変わっていくかは読んでみてのお楽しみです。

 

はたして、梢恵は農家の信頼を得て、バイオエタノール用の稲の作付を許されるようになるのでしょうか?そして、生まれ変わった梢恵が選ぶ未来はどんなものなのでしょうか?おススメの一冊です。