とうへんぼくで、ばかったれ

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朝倉かすみ、新潮社
☆☆☆
吉田苑美(23)は札幌のデパートで契約社員として働いていたとき、デパートの宣伝用チラシの作成のために一日だけ一緒に働いた広告代理店の社員、榎又辰彦(42)に一目惚れします。

 

一緒に働いたと言っても一日だけなので、苑美は辰彦と必要最低限の言葉しか交わしていません。気になる男ができた、でも接点が何もない、そんなとき、あなたならどうしますか?なんと、苑美はストーカーになってしまうのです!と言っても、この本はサスペンスではありませんから、苑美が辰彦に恐怖を与えるような場面はないので安心して下さい。

 

そんなことをしながら、辰彦への想いを募らせていた苑美に思いがけない情報がもたらされます。辰彦の勤めていた会社が倒産してしまったのです。もう、会えなくなってしまうかもしれないとの想いと、諦められない想いが交錯する中、デパート内の噂で辰彦が東京で再就職する勤務先の名前を知ります。

 

実家で両親と暮らし、契約社員として働いていた苑美はどうすると思いますか?なんと札幌での仕事を辞めて、辰彦を追いかけて何のツテもない東京で一人暮らしを始めるのです!

 

事ここに至っても、苑美と辰彦にはなんの接点もありません。苑美が辰彦を一方的に知っているだけで、辰彦は苑美の存在に気がついていません。

 

苑美の親友である常識人の前田や、東京で知り合って、ひょんなことから苑美のアパートに転がり込んでくるユルユルな理絵子が物語を盛り上げてくれます。

 

こんなに強い苑美の想いが、物語の最後にどんな形で決着をつけるか興味が湧いた方は読んでみて下さい。