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シングルベル

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山本幸久朝日新聞出版
☆☆☆
30歳を過ぎても独身で、恋愛もしていない男1人と女3人の物語です。

 

物語の冒頭で、4人の将来を心配する親たちが、結婚しない子供たちをいかにして結婚させるかを勉強するセミナーで出会います。この箇所は後のストーリーを理解するのに重要な所なので、出来れば登場人物を全てメモしておくと良いでしょう。

 

親たちが出会ったセミナーで物語の伏線をはってから、いよいよ本題です。バリバリ働く3人の女たちは経済的に自立しているものの、心が満たされていません。とくに、恋愛においては敗者と言ってもよい立場に甘んじています。しかし、親からお見合いを勧められると逆に意固地になって、恋愛になど興味が無いとつっぱねてしまいます。

 

そこで、4人の親たちが一計を案じます。偶然を装って、男に3人の女を順番に出会わせることにしたのです。親たちが画策した出会いとは知らずに巡り合う男女の運命はいかに、というのがこのお話の筋です。

 

話の本筋とは関係ないのですが、男の経歴を説明するくだりで、男が絵描きになる夢を断念したことが書かれています。美大に5年通って才能がないことに気づいて諦めるのですが、その部分が私は印象に残りました。才能の有無は挑戦してみないと分かりません。だから、多くの人が長い時間を費やしたあとで挫折を経験することになるのだと思います。

 

お話は、読み進めるほどに結末が気になって、読むのを辞めることが出来なくなる面白い本でした。結婚はしたいけど、出会いがないと嘆いている方には

 

「お見合いもイイかも」

 

と思わせてくれる本だと思います。