おとめの流儀。

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小嶋陽太郎、ポプラ社
☆☆☆
本を読んでいると、

 

『これ、映像化されたらイイのになぁ』

 

と思う本に出会うことがあります。

 

この本がまさにそれで、実写化よりかはアニメ化が向いているように私は思いました。

 

本の表紙に薙刀を持った女の子が描かれているので、想像できると思いますが、女子中学生が薙刀部での活動を通して成長する物語です。

 

公立の中学校で薙刀部がある学校って、すごく珍しいと思います。それはなぜかって言うと、競技人口が少ないからです。だから、入学したばかりの主人公、山下さと子がまず取り組まなければならなかったことは、薙刀部を廃部の危機から救うことでした。

 

なんとかして、部として認められる人数(6名)を集め、活動をはじめますが、そんな部活に経験者が入部するはずもないので、色んなメンツが集まります。天才肌の子から、まったく適性のない子までが同じ練習場で練習するのです。その様子を私は公立の中学校の部活がリアルに描かれていてイイなと思いました。

 

そんなデコボコなメンバーが集まった薙刀部が掲げた目標はなんと、

 

【打倒、剣道部!】

 

です。

 

学校で弱小クラブと思われている薙刀部のメンバーたちは、一大勢力を誇る剣道部を文化祭の催し、【薙刀VS剣道】で負かして、学校中を見返してやるために一丸となって努力を始めるのです。

 

そして、この本の面白いところは、薙刀以外にも副題という感じで、さと子の成長物語が用意されているところです。さと子の家は母子家庭なのですが、物心ついた頃には家にいなっかった父親とどんな風に向き合うかということをさと子が模索するのです。これには、不思議な魅力を放つホームレスのおじさんとの交流が突破口になるのですが、ネタバレになるのでここでは書きません。

 

読者を不快にさせる悪者が一人も登場しない安心して読める青春小説です。6人ともキャラが立っていて、脇役が一人もいないのが素晴らしいです。私はその中でも、戦国武将みたいな朝子先輩のファンになりました。