学校のセンセイ

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飛鳥井千砂、ポプラ文庫
☆☆☆
サラリーマンの9割は、「なぜ働いているのか?」と問われれば、

 

「お金のため」

 

と答えると思います。

 

仕事が楽しいとか、やりがいを感じる、なんて人は一握りの幸せな人です。

 

この物語の主人公、桐原一哉(26)は教師になりたかったわけではないのですが、流れでなんとなく高校の教師になってしまい、なった後もそつなくこなすことだけ考えて働いています。そういう意味で、どこにでもいる一般的なサラリーマンです。

 

一哉は友達から【キング オブ 面倒くさがり】と言われています。普通、こういった人間は人との繋がりがなくなっていき、2~3年もすると孤独な引き籠りになるのですが、どうやら人望があるようで、学生時代にできた友達からお誘いの電話が頻繁にあって、面倒くさがりながらも友達との交流を続けています。

 

こんな感じの主人公が平穏な生活を望みながらもそれが叶わず、日常の雑事に悩まされながら生きていくというお話です。

 

登場人物の全てが、社会にうまく適合できないことでストレスを感じているのですが、それでも自分が損をしない範囲で他人に優しくしている姿が好感を持てました。現実の世界でも、全ての人がこの程度の気遣を他人にしたら、見違えるように暮らしやすい社会になるのではないかと思います。