うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

キラキラ星

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群ようこ、角川文庫
☆☆☆
主人公は鶴田ひかり、バツイチの31歳。奈良女子大学を卒業し、現在は出版社の編集者として文芸作品を担当しています。こんな風に経歴だけ書くとアカデミックなお堅い女性をイメージしてしまうかもしれませんが実態は真逆で、学生時代は派手なドレスを着て毎晩ディスコへ通っていたし、社会人になってからも毎晩盛り場をウロウロしている女です。超がつくほどの浪費家で、この歳になるまで貯金をしたことがありません。

 

そして、もう一人の主要登場人物が緑川郷、50前後のヤクザみたいなオジサン。とにかく生活が派手で、超がつくほどの博打好き。これまでの人生は文字通りのジェットコースター。法を犯して、二年半服役したこともあります。現在は博打の合間に文章を書いて、作家として生活しています。

 

こんな破天荒な生き方をしている二人が同棲して賑やかに暮らす様子を描いたお話です。

 

普通の生活を送っている人がこの本を読んで共感したり、ためになったりすることはないと思います。ただ、一日で数百万円のお金を博打で蒸発させてしまい、公共料金の支払いさえ滞っているのに、明るく笑って仲良く暮らしている二人の姿を見ていると、お金のことでクヨクヨしているのが馬鹿らしくなってきます。

 

ギャンブル依存症だったり、極端な浪費家のほとんどは高い確率で破滅してしまうと思うんだけど、稀に神様から愛されている生活破綻者がいて、使っても、使ってもお金がなくならない人って実際にいますよね。

 

でも、こればっかりは運なので、望んでなれるものじゃありません。この本を読んで明るい気持ちになったからといって、二人の生き方をマネすることはやめたほうが良さそうです。