原田ひ香、講談社文庫
☆☆☆
2つのお話が収められています。2つのお話はまったく別な話です。それなりに項数があるので、短編集ではありません。
どちらのお話にも、とても好きな人がいるんだけど様々な事情により結ばれることが難しくて、どうするべきか悩む姿が描かれています。
人間はおおむね損得勘定で生きているのですが、
『分かっちゃいるけど止められない』
ということをしてしまうものです。
そんな人間の弱さを見事に描いていて、どちらのお話も読み終わったときに【ジーン】と感動しました。
このような人間の弱さを描いた小説は、前途洋々たる若者が読んでも分からないと思うので、30歳以上の方にお勧めします。