この世にたやすい仕事はない

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津村記久子日本経済新聞出版社
☆☆☆
大学卒業以来、十数年続けてきた職を燃え尽き症候群で辞めて、転職をした36歳の女性が主人公です。

 

本のタイトルから、紆余曲折の末にプロジェクトを成功させるお仕事小説なのかなと思ったのですが、まったく違いました。本の中では、約1年間の時間が流れるのですが、その間に主人公は5つの職業を転々とします。そうしていく中で、

 

『この世にたやすい仕事はない』

 

と思うような体験をしてゆくお話です。

 

主人公が従事することになる仕事は実在するか微妙な仕事か、あっても非常に珍しい仕事なので、直接的な共感を得られる人は少ないと思います。

 

しかし、主人公が非常にまじめで、仕事に慣れるにしたがって仕事と愛憎関係に陥っていく姿は、私にも心当たりがあるので、理解することができました。

 

仕事を辞める原因に人間関係の悪さを上げる方は多いと思いますが、この本の中では意地悪な人は一人も登場しないので、そういったことが苦手な人はご安心を。

 

社会人として働き始めると、一日の大半を仕事のために費やすようになります。つまり、仕事で幸福感を得られるか否かは大問題であるわけですが、実態は生活のために仕方なく働いている人が大多数ではないでしょうか。まったくもって、

 

『この世にたやすい仕事はない』

 

ですね。