星間商事株式会社社史編纂室

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三浦しをんちくま文庫
☆☆☆
①民間企業はお金儲けが仕事である。
②人的資源には限りがあり、有能な人材の割合は少ない。

 

こういった現実があるなか、重要な部署へ優先して有能な人を配置していくと、お金儲けにならない社史編纂なんてことをやっている部署には、必然的に残りものが集まってきます。

 

この本でもそのお約束は守られていて、主人公の川田幸代(29)の同僚たちは給料泥棒と呼ばれても仕方ない人たちばかりです。

 

しかし、そんなユルユルな雰囲気の職場で会社の歴史を調べるうちに、星間商事の黒歴史に幸代は気づいてしまうのです。

 

後ろめたい気持ちを持つOBたちは当時のことを話したがらないし、会社の上層部も遠回しに黒歴史への取材に圧力をかけてきます。

 

それなのに、幸代が仕事で行き詰っているときにかぎって、同棲中の恋人は持ち前の放浪癖を発症して行方不明になっちゃうし、親友は突然結婚して焦るし、親からは結婚のことであれこれ干渉されて鬱陶しいし、トラブル続出です。そんな逆風の中、幸代は突破口を見つけ出して、締め切りまでに社史を完成させられるのでしょうか。

 

・・・とまぁ、こんな感じのエンタメ小説です。とかく世知辛い今の世の中、こんなお金にならないことをやって、なおかつダラダラと働いて、お給料をもらえる職場があったらイイなぁ、と思いながら読みました。