マタタビ潔子の猫魂

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朱野帰子、MF文庫
☆☆☆
主人公は、どこにでもいる普通の派遣職員、田万川潔子(たまがわきよこ、28歳)です。潔子は薄幸体質で、目立たないように注意して暮らしているのに、不幸をもたらす禍々しいものを次から次へと引き寄せてしまいます。

 

それでも、生命力の強い人ならば近づく魔を毅然とした態度で撃退できるのですが、残念なことに潔子は他人に振り回されてばかりの低級カーストに所属する人間なので、やられっ放しです。そんな潔子ですから、一日の終わりはストレスで胸が一杯です。

 

「憎たらしいあいつに仕返ししてやりたい!」

 

そんな想いが、潔子から溢れ出したとき、奇跡は起こるのです。潔子自身も知らないのですが、潔子は猫魂という強い力を持つ物の怪を使役できる由緒ある一族の末裔で、猫魂を憑依させることで無敵になれるのです。ただし、猫魂を憑依させて敵を打ち据えているときの記憶が本人にないのが残念なのですが・・・。

 

本書の中では4つの敵をやっつけています。読者がよっぽど、社会の上級カーストの人間でない限り、

 

「あぁ、こういう嫌なやついるよね」

 

と思える敵が登場すると思うので、それを完膚なきまでに叩きのめす潔子の活躍を楽しんでください。また、猫魂の目線で人間社会を風刺しているのですが、とてもうまい事を言うので、こちらにも注目して読むと面白いと思います。