大山淳子、講談社
☆☆☆
主人公は夏目伊代太(27)、愛称は「イーヨくん」です。
名前が伊代太であるところから「イーヨくん」と呼ばれるようになったわけではなく、どんな難題を命令されても、
「いーよ」
と請け合ってしまうところからついた愛称です。
伊代太は五人兄弟の五男です。一昨日、長男が病気で急死してしまいました。しかし、長男には結婚を約束した女性がいて、親戚一同、まだ誰もその女性を知りません。そして、お葬式にその女性がやって来たのです。しかも、妊婦の姿で!
これには親戚一同ビックリで、女性とお腹の子供を誰が面倒を見るのかで考え込んでしまいます。
そこで、投げやりに、
「伊代太、お前、あの女と結婚しろ」
と責任を押し付けるのですが、そのムチャブリにも伊代太は、
「いーよ」
と承諾してしまうのです。
お葬式で初めて会った女性、しかも、亡くなった長男の子供を妊娠している女性とその場で結婚することが決まった伊代太はどうなってしまうのでしょうか?
純真無垢な伊代太の行動が、周りの人たちの心を綺麗にしていきます。テレビの2時間ドラマの原作にしたら面白そうだと思いました。