うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

つむじダブル

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小路幸也&宮下奈都、ポプラ社
☆☆☆
題名になっている《つむじダブル》は、主人公の兄妹の頭につむじが二つあることからつけられたものです。

 

仲の良い兄妹である小宮由一(18)と小宮まどか(10)の日常を描いています。

 

小宮家は、働き者のお父さんと、料理が上手で優しい専業主婦のお母さん、家の離れで柔道場を営むお爺ちゃん、そして、主人公の由一とまどかで構成されています。

 

両親がけんかしているのを一度も見たことがない由一とまどかでしたが、謎の女性の出現で、由一とまどかが年相応の心配をはじめます。このことがきっかけになって、何の秘密もないと思っていた両親に隠し事があることを疑うようになるのです。

 

18歳の目から見た大人の世界、10歳の目から見た大人の世界が書いてあるのですが、両親の愛情をたくさん注がれて育ってきた兄妹は、悪い想像で頭がいっぱいになっても、

 

「誰にでも秘密はある」
とか
「もし、そうであっても両親への感謝は変わらない」

 

と最終的には思うのです。

 

それ以外にも、進路に悩む18歳とか、今まで感じたことがない異性への感情に戸惑う10歳なんていう定番のテーマも扱っているので、多くの人に勧められる小説だと思いました。