一寸先は光

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谷口桂子、講談社
☆☆☆
主人公は遺品整理会社で働くハマノミサキ(39)です。

 

ミサキは子供の頃、田舎が嫌いで、高校卒業と同時に東京へ出てきました。ミサキは行動することで道が開けると信じていたので、これまで積極的に生きてきました。その結果が39歳にしてホームレス一歩手前まで追い詰められ、ギリギリのところを親友に救われるというありさまです。

 

遺品整理の仕事は余計な感情移入をせず、淡々と仕事を進めるのが原則です。亡くなられた方のことをイチイチ気にしていたら仕事にならないからです。

 

それなのに、49歳で孤独死した女性の部屋を片付けていたら他人事には思えず、生前の彼女を調べ始めてしまうミサキなのでした。

 

作中でたびたび、

 

【人は生きてきたようにしか死ねない】

 

という意味の言葉が出てくるのですが、49歳、うつ病、無職、独身、子供なしの私は身につまされました。

 

また、追い詰められて親友に救われたミサキと、孤独死した女性の決定的な違いが運の良し悪しだったというのも考えさせられます。

 

神様から特別な才能を与えられない限り、人は努力しなければ人並みの生活を送れないわけですが、努力が必ずしも報われるわけじゃないから生きていくのが難しいんですよね。

 

そして、私も運の良し悪しが人生を決定的に分けるのを幾度か身の回りで見てきたので、それをどう受け止めるか考えています。題名のように考えるか、それとも一般的に言われるように、

 

【一寸先は闇】

 

と考えるか、人それぞれなんでしょう。