うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

煙とサクランボ

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松尾由美、光文社
☆☆☆
この作家は、幽霊かそれに準ずるものを物語に登場させますね。今回は幽霊が主人公として登場しています。

 

ただし、一般的に考えられる幽霊とは少し設定が違います。

 

①生きている人と変わりない姿で見える。
②姿が見える相手とは会話が出来る。
③特殊な能力がある、わずかな人以外には幽霊であることがバレない。
④昼夜を問わず活動可能。
⑤弱い力しか出せないが物理的に物を持ったり、機械を操作したり、服を着たりできる。
⑥死んだ当時の姿のまま、飲み食いせずに何年間でも活動可能。

 

もし、みなさんが死んだあとに、こんな幽霊になれたらどうします?

 

主人公の男、炭津は56歳のとき交通事故で亡くなり、その姿のまま14年間、東京の街を徘徊しています。この本の世界では、皆が幽霊になるわけではなく、未練がある人だけが幽霊になるのですが、炭津にはどんな未練があり、上記にあげた能力を使って何をなすのでしょうか、というのがこの物語です。

 

ちょっとだけネタバレします。炭津は紳士で、名探偵のようなキャラとして活躍します。恨みをはらすために幽霊になったのではないことを書いておきます。けっして、ホラーではありません。