うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

アレー!ALLEZ!行け、ニッポンの女たち

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こかじさら、講談社
☆☆☆
年齢は50歳くらい、約25年勤めてきた会社にリストラされた独身女、小野寺かすみが主人公です。

 

かすみが社会人になるころ男女雇用機会均等法が施行され、法律の上では採用や昇進で性別を理由に不平等があってはならないとされたのですが、現実は一朝一夕にはならず、古い慣例や考え方がはびこっています。

 

物語のはじめの方では、かすみが男女不平等と戦う姿が描かれています。そして、かすみは会社を去り、同年代の戦友は会社に残るのですが、その結果は【辞めるも地獄、残るも地獄】という厳しい現実です。

 

こんなに厳しい現代社会をどうやって生き抜いていくかを考えるのが、この本のテーマなのですが、八方ふさがりになったとき、皆さんならどうしますか?

 

50歳独身女の再就職なんて簡単に決まるわけがありません。しかし、かすみは人望があったので友だちがたくさんいるのです。普通なら、会社に25年も人生を捧げちゃうと、会社と切れたとたんに孤独になるものなのですが、かすみはあちこちから声がかかり、ぼんやりと一人で考え込むことがないのです。これは、同じような境遇の私にはたいへん羨ましく思いました。

 

【ALLEZ】

 

はフランス語で、英語の【GO】にあたる単語なのですが、人を応援する言葉です。かすみには応援してくれる人が周りにたくさんいるのです。応援すること、されることがかすみを立ち直らせるのです。

 

【他力本願】って若いころはカッコ悪いと思っていたのですが、今は人に助けてもらうことは悪いことではないと思っています。孤立して潰れてしまうことよりもずっと良いです。

 

応援すること、されることを考えるきっかけになりました。