著者:レイチェル・ウェルズ
翻訳:中西和美
出版:ハーパーBooks
☆☆☆
《通い猫アルフィー》シリーズの第6弾です。
これまで犬を馬鹿にしてきたアルフィーですが、なんと、エドガー・ロードに子犬がやって来ます。そして、アルフィーの家族になるのです!
子猫のジョージがやっと手がかからなくなって一息ついたのに、また一から子育てをするはめになってしまうアルフィーなのでした。
そして、人間ならば二十歳前後になったジョージですが、お父さん(=アルフィー)のように誰かのためになるような生き方をしたいと模索し始めます。
悩んでいるジョージを心配するアルフィーですが、こればっかりはジョージが自分自身で解決するよりありません。
今回の見どころがまさにこれで、私は日本でもこの問題が大きく取り上げられれば良いのにと思っています。
著者のレイチェルさんが暮らすイギリスでは、内閣に孤独を解決するための担当大臣を常設しているくらい孤独を社会問題としているのですが、この点について日本では自己責任で片づけて、放置していますよね。努力が実らず、運命に翻弄されて孤独になった人もたくさんいるのに、そういう空気が蔓延していることを残念に思います。
ジョージやアルフィーが、
「寂しい気持ちを持った人がいなくなればイイのに」
と願って活躍する姿をくわしくお伝えしたいのですが、これを書いてしまうとネタバレになってしまうので我慢します。
読んでいて、ページが減っていくのがもったいないと感じさせる良い本でした。お勧めです!