☆☆☆
児童書であることを押し出している本ではありませんが、読み終わった感想は、「児童書だな」、と思いました。
閉館後の図書館で、子供たちから預かったぬいぐるみを、あたかも本を読んでいるようなポーズをとらせて撮影し、その写真を子供にプレゼントする企画の始まりから実現までを短編小説とした本です。
そこにバレーボールくらいの大きさの、ブタのぬいぐるみにしか見えない中年男性の《ぶたぶたさん》が絡んでくることでファンタジー小説にしています。
まず、結論から言ってしまうと、5段階評価ならば【2】です。
短編小説なのに登場人物が多すぎて、キャラクターの表面的なことだけ扱って終わっています。人物描写が浅く、広くになってしまっているんです。これだと、読者は消化不良になります。
外見の説明で、《ぶたぶたさん》がぬいぐるみであるとしている以外は、《ぶたぶたさん》はただの優しいオジサンです。居酒屋でビールを飲むし、自動車の運転もします。ぬいぐるみだからこそできる何かが欲しかったです。