うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

初めてバイオリンを買う方へ

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私には親しくしていただいているバイオリン職人さんがいて、時々、用もないのにお店に伺っておしゃべりしています。先日、職人さんが

 

「初心者の人にバイオリンの説明をしても分かってもらえない」

 

と嘆いていたので、それならば、下手くそだけどバイオリンを練習している期間だけなら長い私の考えを書いてみようと思いました。

 

①まず一番現実的な話し、予算です。
ズバリ、10万円あれば十分です。バイオリンを扱っているお店なら普通は初心者セットを10万円未満で置いています。それを買いましょう。お店の人は

 

「ぜひ、弾いて下さい」

 

と勧めますが、初めてバイオリンを触る人に綺麗な音なんて出せませんし、弾ける人に弾き比べてもらっても違いなんて分かりません。私は習い始めて1年くらい経った頃から先生のバイオリンと自分のバイオリンの音色の違いが分かるようになりました。

 

②最低限何が必要か?
バイオリン、弓、ケース、肩当て、松ヤニが必要です。バイオリン、弓、ケースまでは初心者セットに含まれています。肩当て、松ヤニもオマケで付いてくるお店もありますが、付いてなければ買いましょう。

 

③どこで買うか?
お店までの距離とか制約もあると思いますが、近くに購入後の保守までやってくれるお店があるならそこで買うことを勧めます。バイオリンは釘をまったく使わず、ニカワで接着して組み立ててあるのですが、熱心に練習していると汗でニカワが剥がれることがあります。そんなとき、スグに相談にのってもらえるお店なら安心です。また、弓に張ってある毛は消耗品です。一生懸命練習していると毛がツルツルになって、弦をこすっても音が出なくなるので、お店で毛替えをしてもらって下さい。
それと、下取りしてくれるお店だとよりお勧めです。バイオリンは技量の向上に合わせて買い換える方が多いので、そんなとき下取りしてくれるお店だと金銭的に助かります。

 

④新品を買う必要があるか?
職人さんが「分かってもらえない」と言っていることが、このことです。信頼できるお店なら、きちんと調整も済んでいるはずなので中古も問題ありません。バイオリンは古くなっても状態が良ければ価値が目減りしません。中には高価になるバイオリンもあります。嘘だと思うなら、体験教室で初めて先生に会ったときに、

 

「先生のバイオリンは何年前に作られたバイオリンですか?」

 

と質問して下さい。たぶん、100年以上前に作られた楽器だと思います。世界的なバイオリニストの使っている楽器となると、200年以上前に作られたものが普通です。

 

★まとめ 

私はバイオリンにはそれぞれ個性があって、究極のバイオリンなんてないように思います。世界的なソリストたちのなかには楽器を恋人に例える人がいますが、ある人にとっては一目惚れする異性も他の人にとってはまったく興味が湧かない異性だったりすることはザラにあるのです。だから、100万円払ったから必ず相性の良いバイオリンと巡り会えるというわけではありません
それと、親切な先生だと、

 

「一緒に行って選んであげる」

 

と申し出てくれる方もいますが、プロの方は音色よりも音量(大きい音が出る楽器)を重視する傾向が強いように思います。人に聞かせる目的で弾く方はそれでイイのですが、アマチュアは自分のために弾く方がほとんどですからプロの方と選び方の基準が違っていると思います。私は大きな音が出る楽器よりも優しい音色の楽器が好きです。自分のために買う楽器ですから目(耳?)が肥えるまでは初心者セットで練習し、技量が上がって買い換えるときには一人で選びに行くことを勧めます。
また、発表会などの晴れの舞台に一緒に上がった楽器には特別な愛着が湧くので、最初に買った楽器をずっと大切に弾いている人も私はたくさん知っています。長く付き合って、愛着が増すなんてまさに恋人みたいで素敵だと私は思います。

 

皆さんに良いバイオリンとの巡り会わせがあるようにお祈りいたします。