うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

あさひなぐ 12巻

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こざき亜衣小学館
☆☆☆
メジャーな部活はほぼ漫画でやり尽くしてしまったためか、この頃はマイナーな部活の漫画も見かけるようになりました。数年前に、初めて手に取ったとき、

 

薙刀なぎなた)部の漫画なんて人気でるかなぁ?」

 

と心配した《あさひなぐ》も12巻になりました。まだ、読んだことがない方にあらすじを話しますと、運動が苦手で、体格にも恵まれない女子高生の旭(あさひ、表紙左の眼鏡の娘)が高校の薙刀部に入って、努力しながら少しずつ強くなっていくお話です。

 

今回、最新刊の12巻を取り上げた理由は、表紙向かって右の女の子、さくらが部活を辞めるかもしれない、という話しにドップリと感情移入してしまったからです。

 

私は高校生のとき卓球部に入ってました。卓球部独特の問題かもしれないのですが、1台の台で練習できる人数はたった2人です。なので、勝つことを至上命題とした母校の卓球部では上手な生徒に優先的に台を使わせ、あぶれてしまった下手な生徒は台を使えませんでした。下手でも1年生のうちは球拾いでもさせておけば良いのですが、3年生にもなると処遇に困ります。そこで、2年生から3年生になるときの春休みに肩たたきが行われていました。私も2年生から3年生になる春休みの練習初日に教官室に呼ばれ、

 

先生:「俺はお前が3年生になってもレギュラーで使うつもりはない。今日で辞めて、明日から受験勉強しろ。(部活を)続けてもイイけど、球拾いだけしてもらうことになる。台を(お前が)使うところを俺が見つけたときには練習場への立ち入りを禁じる。どうする?」

 

私:「ハイ、辞めます。」

 

一年前に一つ上の先輩がクビになるのを見ていたし、中学から高校とずっと卓球部だったので、自分に才能がないことを身にしみて分かっていましたから、返事に迷いはありませんでした。あの日から、お遊戯みたいな卓球はやっても、本気の卓球は20年以上やっていません。

 

そんな私なので、12巻でさくらがスランプに落ち込んで、部活に来なくなってしまった気持ちがよく分かりました。努力しても報われないときって辛いですよね。理想とするプレーができない現実、試合でのさんざんな結果、とっても惨めな気持ちになります。そんな、部活動でヒロインになれないさくらにスポットライトを当てた作者の目の付け所はとても良いと思います。だって、さくらみたいな気持になっている高校生がたくさんいるんですから!

 

12巻ではさくら退部問題の結果は出ていません。さくらが薙刀部を辞めて新しい世界へ挑戦するにしても、薙刀部を続けるにしても、同類である私は、さくらにイイことがあるように願わずにいられません。がんばれ、さくら!