壁井ユカコ、メディアワークス
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17歳で高校生の千種いづみと24歳の千種いづみが交互に登場し、7年間で人がどんな風に変わるのかを表現した小説です。脇役として同じ高校に通っていた、古池鞠子と都丸一志が登場し、こちらも17歳当時と24歳になった現在を比較させながらお話が進みます。
17歳のいづみは東京から電車で2時間半、都会から近くもなく、遠くもない中途半端な地方都市で暮らしています。優等生ではなく、かといって不良でもなく、熱中して取り組むこともないいづみは毎日が退屈で、卒業したら東京の大学へ行って刺激的な生活をすることを夢見ています。
17歳の鞠子はどこか影のある謎めいた美少女で、いづみは偶然出会ったその日から彼女の魅力に惹かれ親しく付き合うようになります。
17歳の一志は生活態度と服装がだらしなく、可愛い女子生徒がいればフラフラと付いていってしまう浮気男。いづみとは何度も付き合ったり、別れたりを繰り返しています。
望みさえすれば何にでもなれると信じていた17歳の3人が7年後、東京で生活しています。青春のビフォー・アフターです。題名通り、ちょっと苦い味がします。