人は絶望すると過激になる生き物です。内に向かえば自殺になり、外に向かえばテロになります。
長い間、努力が報われない生活を送り、全てを失った人が、
『どうせ俺なんて』
と絶望して、世の中に復讐の意味を込めて犯罪にはしる人のことをネットスラングで【無敵の人】と呼ぶそうです。
イスラム国に関するニュースを見ていて、私が気になったのはイスラム国の兵士に欧米からたくさんの若者が参加していることです。私の想像ですが、夢や希望を描いて欧米に移民をしたけれど、低賃金の3K仕事(危険・汚い・きつい)にしかつくことができず、絶望した人たちなんじゃないでしょうか。
絶望した人たちが増えてきたところに、結晶の核となるようなカリスマが現れて、急速に組織化されたのがイスラム国の正体だと思います。
日本の歴史にはなかったことのように思うのですが、中国史などでは貧者の大群が暴力で社会システムをメチャクチャに破壊してしまうということが度々ありました。
『たかが乞食に何が出来る』
なんて馬鹿にしてはいけないのです。
日本では無敵の人を組織化できるようなカリスマが登場していないので、単なる犯罪者として各個撃破すれば良いのですが、シリアとイラクで起こっている現象には、どう対処するのが良いか考える必要があると思います。
方法は二つあると思います。
一つは今、アメリカがやっているように爆弾を落として十分な数だけイスラム国の兵士を殺害する方法で、もう一つは無敵の人が生まれなくて済むような社会を築く努力をすることです。正義とか、宗教とか、人道上とか言い出すと話しがややこしくなるので、ここはどちらが経済的にお安く済むかだけ考えてみるのが良いと思います。