うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

海馬亭通信

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村山早紀、ポプラ文庫ピュアフル
☆☆☆
対象年齢は書いてありませんが、小学生高学年を対象に書かれたファンタジー小説です。

 

15歳くらいの可愛らしい女の子に見える山姥が行方不明になったお父さんを探しに、遠い山から人が暮らす街へ風に乗ってやって来て、心優しい人たちと出会い、かつてホテルだった《海馬亭》という名のアパートで生活するお話です。

 

山姥というと人を食べてしまう恐ろしい印象がありますが、主人公の由布(ゆう)は見かけも、中身も可愛らしい女の子です。由布はアパートで暮らす人たちを、最初、ただ明るく優しい人たちと思っていましたが、それぞれ過去に色んなコトがあって、それでも明るく前向きに生きていることを知っていきます。そんな中で隣人たちと、助けたり、助けられたりしながら家族のようになっていきます。

 

外見はまったく人間とかわらない由布ですが、山姥なので超能力があります。ある時期から街のあらゆる生き物に元気がなくなってしまった原因を超能力でつきとめます。その時に由布はどうするのか、そして、お父さんには出会えるのか、興味がある人は読んでみて下さい。

 

本の厚みで言うと、後半の3分の1くらいが17年後の後日談になっています。由布が海馬亭にやって来たときに小学生の高学年だった千鶴が小児科医になって足が不自由な少年と治療のために心を通わせる話しになっています。子供の頃にワルになる予定だった千鶴がどんな女医さんになったのかも楽しんで下さい。