安藤祐介、講談社
☆☆☆
準大手の製菓メーカーを舞台に、究極の良い人の山田クンが同僚たちの助けを得ながら、会社の中で夢を実現するためにがんばるお話です。
お菓子を作る会社って、キョロちゃんとか、カールおじさんとか、有名なキャラクターがありますよね?山田クンが勤める会社でもイメージキャラクターの育成に乗り出したのですが、人も予算も無いなかで進めなければならず、考え出されたのが、生身の社員をゆるキャラとしてそのまま使ってしまおう、と言うものでした。そこで、白羽の矢がたったのがこの物語の主人公の山田クン。
それまで物流を担当する部署にいた山田クンが、春の人事異動で広報宣伝部に着任するところから物語が始まります。広報の仕事さえ全く分からない山田クンですが、さらに社内はおろか、業界でさえ前例の無い、生身の社員が会社のイメージキャラクターになるという困難な任務に持ち前の行動力と笑顔で周りを巻き込みながら、突き進んでいきます。
社内にはこのプロジェクトを快く思わない人たちもいるのですが、そんな人たちにも山田クンは変化球はいっさい投げず、直球勝負です。
山田クンのプロデュースを任された水嶋里美との恋の行方も合わせてお楽しみ下さい。夢の実現のため二人はいくつもの壁を乗り越えて行きます。二人は「戦友」と呼び合う仲になり、そしていつしか異性として意識し合うようになっていきます。
山田クンは仕事で成果を上げることができるのか?そして、里美との恋は成就するのか?山田クンと一緒に本の中で熱く生きてみませんか?