大島真寿美、新潮社
☆☆☆
題名が《三人姉妹》となっているので、姉妹の絆について書かれた物語かと思いましたが違いました。三姉妹の三女、福池水絵(20代前半、フリーター)のゆる~い日常を描いた作品で、脇役として長女と次女が登場します。
1話1時間弱で読めるお話が7話納められています。扱われているのは母の家出、運転免許取得、次女の転職、失恋などですが、重苦しい話しは1つもなく、最後は丸くおさまるので、暗い話が苦手な方も安心して読むことが出来ます。
とても個人的な思いなのですが・・・。
水絵のように若くて健康的な時代に嫌なことを避けて、自由を謳歌する人って実際にいると思うのですが、こういった人たちの20年後ってどうなっているんでしょうかね?
大多数の方が
「そんな生き方、世間が許さない」
と言うと思うのですが、それならまじめに勉強し、公務員になった私が幸せになったかというと、20年我慢しながら勤めた結果がうつ病で自己都合退職という惨めな結末なので、
「もしも、公務員にならず、フリーターになっていたら違った人生になったのかなぁ」
と考えてしまいました。