荻野文子、河出文庫
☆☆☆
何百年も昔の人が、自分と同じようなことを考えていたのが分かると嬉しく思うのは私だけでしょうか?
ご承知のとおり、《徒然草》は、1330年ごろに出家僧・吉田兼好によって書かれた随筆です。俗世を嫌って、出家したお坊さんが書いた作品なので説教くさいところがあるのですが、読んでみれば
「あるある」
と共感できることがたくさん書かれています。
人を見るとき、どんな友人と付き合っているかは、重要な判断材料になると思います。徒然草の中には吉田兼好が友にしてはいけない7種類のタイプを書いているので、これに共感出来たら、
「吉田兼好って、私と気が合うかも。」
と判断して、読んでみるのもよいかもしれません。以下にそれを記します。
①身分の高い人。
②若い人。
③無病で身体の強い人。
④酒を飲む人。
⑤勇猛な武士。
⑥嘘をつく人。
⑦欲深い人。
現代語訳だけでなく、荻野さんの丁寧な解説も添えられているので、古文が苦手という方にもおすすめな一冊です。