うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

佐藤さん

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片川優子講談社文庫
☆☆☆
佐伯智樹…高1。幽霊が見えて、お喋りもできる。
佐藤妙子…高1。霊感はないけど、幽霊に憑かれやすい。
安土さん…二十歳くらいに見える男の幽霊。自称、妙子の守護霊。

 

智樹と妙子は互いを好ましく思っているんだけど、智樹が勇気を出せないせいで、なかなか二人の距離は縮まりません。この物語は、そんな二人と二人を応援する幽霊の安土さんとクラスの仲間たちのお話です。

 

こんな風に書いてしまうと、二人をくっつけるために幽霊の安土さんが特別な力を使ってハッピーエンドにしてしまうお話かと思われてしまうかもしれませんが、安土さんは智樹の良き相談相手としてのみ登場するので、幽霊でなくてもよかったんじゃないかと思えるくらいです。

 

ファンタジーもあんまり便利な道具や魔法が登場すると、ストーリーが台無しになってしまいますよね。その点、この物語は幽霊を登場させても、問題の解決は生きている人間たちにゆだねるという点で異色かもしれません。

 

そして、この小説は作者が中学三年生のときに書いたものだということが驚きです。文章を書くのも才能ですね。