こざき亜衣、小学館
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公式戦に出してもらえないことを不満に思った一年生が、部内で総当たり戦を行うことを提案します。
これまで、部内では優劣をハッキリつけずに仲良く練習をしていた二ツ坂高校薙刀部でしたが、この総当たり戦により、今までにない緊張が部内に生まれます。コーチのやす子先生も次の公式戦には総当たり戦の上位5名をスタメンにすると約束しました。
武道の部活で、どうやってレギュラーを決めるのか分からないのですが、私が中学、高校とやっていた卓球では、総当たり戦は当たり前のようにやってました。だから、当時は勝った人が試合に出て、負けた人は応援するのが当然のことと思ってました。
そんな経験があるので、優劣をハッキリつけずに、仲良く練習している旭たちを安心して見ていられたんですけど、風向きが変わってきたみたい。私がかつて所属していたみたいな、カーストがある部活になったら嫌だなぁ。二ツ坂高校薙刀部も実力だけがものを言う、どこにでもある運動部になってしまうのでしょうか?
部内での総当たり戦がメインの16巻ですが、私的に感動したのは新部長誕生にまつわる3年生の野上えりと2年生の紺野さくらとの泣けるお話です。ギスギスした空気が漂う薙刀部でだからこそ、他者を思いやる気持ちが美しく感じられます。気になる方は今すぐ本屋さんへ急げ!