友達から
「求愛されるお話と、求愛するお話、どちらの恋愛小説が読みたい?」
という質問がメールで届いた。
そのときちょうど、《めぞん一刻》を読み返していて、あらためて考えてみると最近のライトノベルや恋愛漫画はハーレム系ばかりで、《めぞん一刻》の五代クンみたいに主人公が一人の女性に繰り返し好意を伝えるお話ってなくなったなぁ、なんて気づいた。
バラエティー番組をみていたとき、坂上忍が、
「金の無駄だから、ブスは化粧するな!」
と言っていた。それを受けてベッキーが
「そんなことないよ!」
と反論したけど、再度、坂上忍から
「じゃ、ブスが化粧したらアイドルになれんのかよ!」
と言い返されると、ベッキーは沈黙してしまった。
10年前だったら、こんなことを言う坂上忍はあっと言う間に芸能界追放になったと思うのだけれど、今のところ彼の人気に衰えは見られない。このことは世間が、
【報われない努力もある】
と受け入れるようになったからなのかなぁ、と私に考えさせるきっかけになった。
社会のカーストが固定されて、いわゆるアメリカンドリームみたいなことが起こりにくくなったせいで、さえない男(あるいは女)の努力が実って、美女(あるいはイケメン)と結ばれるなんてお話さえも非現実すぎて廃れた結果、ファンタジーであるハーレム系の全盛期を迎えたのだろうか?
私のように、40年以上生きると努力は報われないことの方が多いと理解するようになるものだけど、恋愛に夢中になる年頃の若者までが、【努力なんてムダ】と思うようになって恋愛を諦めているのだとしたら、日本は夢のない社会になってしまったのだなぁと思う。
ちなみに、私は友達の質問に、
「めぞん一刻みたいなお話が読みたい。」
と返信しておきました。