作中ではキャラクター同士の会話が多く、その都度改行するのでサクサク読み進めることができます。
男子高校生の須玉明は、交通事故で生死の境をさまよって、目が覚めたら幽霊が見えるようになっていました。そんな明の前に次々と4人の女子高生の幽霊が現れます。
4人の幽霊たちは、事故や犯罪、病気によって突然命を絶たれたためにこの世にやり残したことがあって成仏できずにいるのです。
明は、あるときは積極的に、あるときはシブシブ、幽霊と関係を持ち、彼女たちがこの世でやり残したことを叶えてやるために奔走します。
この世に未練があって成仏できない幽霊たちですが、誰かを呪い殺してやるとかいった物騒な願いを持つ幽霊は一人もいません。皆、大切な誰かに伝えたいメッセージがあるのです。そのため、読者も明と一緒に、
「この子の願いを何とかしてやりたいなぁ」
と応援したくなるはずなので、怖い話が苦手な方も安心して読んで下さい。
もちろん、ラストは願いが叶ってすべての幽霊が成仏するので、お手軽に読めるハッピーエンドなお話を探している方におススメな本です。