うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

東京箱庭鉄道

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原宏一、祥伝社
☆☆☆
不遇な日々を送っている人間に突然、幸運が巡ってくるお話は沢山ありますが、この本はその中でもとびきりスケールの大きなお話になっています。

 

夜間道路工事のアルバイトが終わって草臥れ、早朝の牛丼屋で食事をしている28歳の男性が突然、

 

「テツドーをつくっていただきたいのです」

 

と隣に座った身なりの良い紳士から言われたことから物語が始まります。

 

この物語の主人公、妹尾順平(せおのじゅんぺい)は鉄道に関わる仕事なんてしたことはありませんし、鉄道マニアでもありません。そんな順平に紳士は四百億円を自由に使ってイイから三年以内に都内に鉄道を敷いてほしいと言うのです。どうです、荒唐無稽な話でしょ?

 

相続したアパートの家賃収入とアルバイトのお金でつましく暮らしていた順平の日常が一変してしまいます。だいたい、普通の人なら何から手をつけたらイイのか途方に暮れる案件だと思います。しかし、順平は仲間を集めて鉄道建設に乗り出すのです。

 

集まった仲間も個性豊かで、お話を盛り上げています。元鉄道マンだった徳さん、広告代理店に勤めていたリエ、元ラガーマンのミキオ、雑学豊富なひろみ。合計5人で、鉄道作りが始まります。

 

「鉄道って、どうやって作るんだろう?」と思った方は読んでみる価値があると思います。果たして、三年で鉄道は完成するのでしょうか?