カルビーのCEOをされている方のインタビュー記事が2月7日の読売新聞に載っていました。
とても面白い記事で、「貧乏はいい」という話が、私も同じようなことを考えたことがあるので、心に残りました。その部分を抜粋します。
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子供の頃は貧しかった。超貧乏ではなく、普通の貧乏です。京都で育ち、両親と年2回ほどデパートに行きましたが、何か買ってもらったことはありません。食堂に入った記憶もない。それでも行くとうれしかった。貧乏というのはいい。ものを欲しがるから前向きになります。
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私は中学生のときに、親に「バイオリンを習いたい」と言ったら、
母:「お前はそれで飯を食うつもりか?」
と質問され、
私:「今から始めて、プロになれるわけがない」
と答えたところ、
母:「今は、どうやって経済的に自立するかを考えなさい。余暇を過ごすなんてことは、お金と時間に余裕がある人がすることで、ウチにはお金も時間もない。」
と言われました。まぁ、私はそんな家庭で育ったわけです。
そんな私が働いていたときの趣味に旅行がありました。職場で、たくさんの理不尽な目にあうのですが、年に一度の旅行を楽しみに我慢していたのです。
ある年、スイスを旅行しているときです、レストランで同席した日本人家族が、
「私たち夫婦は、フルタイムで働いているので、子供たちには寂しい思いをさせている。だから、年2回、長期休暇をとって家族で海外旅行してるんです。」
と言われたことがあり、10歳と6歳の兄弟を見て、私は、
「この子たちは、大人になって働くとき、何を楽しみに働くんだろう?」
と思ったのです。小さなときから、何もかも与えられ、たくさんのことを経験してしまったら、働く意欲がなくなってしまうんじゃないかと、余計な心配をしたのです。
貧乏人が金持ちの心配をするなんて、ばかげたことですが、カルビーのCEOにまで登りつめた人から、
「貧乏だから、前向きになれる」
と言ってもらえて、私の考えも間違ってないなと思えたのです。見方を変えれば、貧乏にもメリットがあるってことですね。