うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

海獣ダンス

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山本甲士、小学館文庫
☆☆☆
大手ビール会社で新入社員だったにもかかわらず話題のCMを制作し、異例の出世をした出光英一ですが、たった2年で依願退職し、佐賀県の海辺にある田舎町のひなた町役場にUターン就職します。

 

すると、海辺で謎の海生生物が目撃されるようになり、地域振興の仕事を任されていた英一は、

 

「自分は、持っている男なんじゃないか」

 

とうぬぼれます。

 

異例の転職をした人間ということで、英一を取材にきたフリーライターの白銀とともに海生生物を利用した町おこしプロジェクトを進める英一ですが、そこには思いもよらない落とし穴が待っていたのです。

 

これ以上書くとネタバレになるので、興味を持った方は自分でお読みになって下さい。私個人としては、町役場の中の人間関係がリアルで面白く感じました。

 

やる気がないのに、部外者にされると、

 

「こんな話、俺は聞いてない」

 

と横槍を入れる年寄りがどこにでもいるものです。この小説にも登場していて、笑ってしまいました。実際に、こういう年寄りの相手をするとすご~く疲れちゃうんですけどね。

 

あと私は、人生を豊かにするためには、努力、才能、運の3つがバランスよく必要だと思っているんですが、運だけじゃ栄華は長続きしないのかなぁ、とこの小説を最後まで読んで思いました。