宮下奈都、文藝春秋
☆☆☆
私は2時間ほどで読み終えることができました。短編小説です。
20代前半と思われる男女の静かな恋愛小説です。
会社が倒産してしまった行助(ユキスケ)が、その帰り道で偶然買ったたい焼きが素晴らしく美味しく、思わず道を引き返して、
「これ、おいしい」
と感想を伝えたことから、小さなたい焼き屋さんのオーナーである【こよみ】との関係がスタートします。
行助とこよみの二人は地に足がついた生活をしているため言動も堅実で、波乱万丈の物語ではありません。しかし、物語の中盤で、こよみが交通事故により脳に障害を負ってしまい、一晩眠ると記憶がリセットされるようになってしまいます。
交通事故以前の記憶は定着しているのですが、交通事故以後の記憶は毎日リセットされてしまうため、二人の恋に重大な影響をもたらすのです。
もし、恋人が昨日のことをすっかり忘れてしまう人だったらどうしますか?せっかく、楽しい時間を過ごしても思い出が増えないのです!
行助の下す決断に興味がある方は、お試しあれ。