むかし、一回で行くのを止めてしまったオーケストラの話です。
職場の同僚に
「バイオリンが足りないから来てくれ」
と言われて、ある市民オーケストラに参加しました。私を誘った同僚はビオラだったので、私は初対面の人ばかりのバイオリンのチームにいました。練習の合間の休憩時間に、
「ここのオケは映画音楽とかやらないんですか?」
と質問したら、
「ウチはそういう商業主義に堕落した音楽はやりません」
と言われてしまいました。
私は映画の中で流れるオーケストラの曲が好きだったので残念な気持ちになったのと、言い方がお高くとまった感じがして、感じ悪いな、と思いました。
そのやり取りがあったせいで、他のバイオリンのメンバーもお高くとまった奴に見えてしまい、そのあとは終始無言で練習に参加して挨拶だけして帰路につきました。
家に帰って落ち着くと、
「バッハもベートーヴェンもモーツァルトも生活のために作曲してたんじゃなかった?」
と思い出しました。そうなんです、過去の偉大な音楽家たちも金儲けのために音楽活動してたんです!そうしたら、私の好きな音楽を馬鹿された気がしてきて、腹が立ちました。
「あのオケには二度と行かない!」
と決めて、実行しました。
クラシック音楽の人気が出ない理由の一つに、こういったお高くとまったクラッシック音楽オタクの存在があると思います。オタクが新規参入を排斥しちゃってるんです。歓迎されてない場所に出かけていく人はいませんからね。