うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

廃墟戦隊ラフレンジャー

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竹内真双葉社
☆☆☆
大学の演劇部で知り合った、男4人と女1人の大学生時代と、その14年後を描いています。

 

彼らが入部した演劇部では、5~6人の小グループに分かれて寸劇を上演するのが伝統でした。演劇部で偶然、同じグループになった5人は、結成後に初めて披露した戦隊モノのネタが高評価だったことから、卒業するまで《寸劇戦隊ラフレンジャー》として活動します。

 

この5人の人間関係がまさに戦隊モノのセオリーを踏んでいて、きちんと赤、青、黄、緑、ピンクの役柄を演じているのですが、戦隊モノが好きな人にはたまらないと思います。

 

学生時代の関係は良好で、別れを惜しみながら卒業した5人だったので、14年後に再会した彼らはスグに昔の呼吸を思い出し、かつてのラフレンジャーに戻ることができました。

 

その再会の場所に選んだのは、倒産したショッピングモール(=廃墟)だったのですが、ラフレンジャーの姿で遊んでいる最中にひょんなことから爆弾を見つけてしまい、話し合いの結果、爆弾を仕掛けた犯罪者と対決する流れとなります。

 

大学時代の物語も、14年後の物語も手を抜くことなく、面白く描かれています。大学時代の関係性が続いていたり、時間がたって変化した部分があるので、どこが同じで、何が変わってしまったのか、注意して読むと面白いと思います。

 

私は、学校でこんなに濃密な人間関係を築いたことがないので、14年後も色あせない5人の友情を羨ましく思いながら読みました。