星新一、新潮文庫
☆☆☆
日本SFのパイオニアである星新一さんのショートショート集です。一話読むのに5分くらいしか、かかりませんから、ちょっとした時間つぶしに読むのに最適です。
どの話も社会風刺や皮肉が込められていて、一話読むたびにシニカルな笑いがもれます。
表題の《ボッコちゃん》は人間と区別がつかないくらい精巧に作られたロボットに人間が恋をするお話なのですが、近年のAIの進歩を見ていると近い将来にこのお話を笑えなくなるんじゃないかと思いました。星新一さんが、このお話を1971年に書かれたというのが驚きです。
しかし、1971年に書かれた社会風刺のお話が少しも古臭く感じられないというのもどうなんでしょうかねぇ。人間が一ミリも進歩してないように感じられ、複雑な気持ちになります。