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独身、35歳のルイが主人公です。ルイは生まれて間もないころに親が育児放棄して、叔母さんに引き取られ育てられました。
叔母さんはとても優しく、ルイに愛情を注いで育ててくれたので、ルイはグレることなく素直に育ち、大学の事務員として働いています。
その間、叔母さんはずっと独身だったので、ルイは今でも叔母さんの家で二人仲良く暮らしています。
ところが、そんな平穏を叔母さんの恋が壊します。叔母さんがへき地医療に携わるお医者さんと恋に落ちて、突然、へき地へ行ってしまったのです。
ルイは一戸建ての住宅で一人暮らしを始めます。しかし、ひょんなことから二人の独身男性が転がり込んできます。三人の共通点はスープが好きということ。
一つ屋根の下で暮らすことになった三人の関係はどうなるのでしょう?そして、叔母さんの恋の行方はいかに?
あらすじだけ読むと突飛な話ですが、細部は現実的で、
「あぁ、こんな人いるよね」
と思うことばかりです。理性的、合理的に行動できない人間の弱さを作者が上手に描いていると思いました。