千梨らく、宝島社
☆☆☆
【翻訳ガール】って題名ですが、【ガール】って単語からみなさんは、いくつ位の人が主人公だと思いますか?昨今、女性の晩婚化が進み、【ガール】って年齢も高齢化が進んでいるように思うのですが、【girl】は直訳すれば【少女】です。私は、20代前半までだと思うんですよね。しかし、この物語の主人公である目白泉子は30代後半なんです。いくらなんでも【ガール】じゃないでしょう。題名を付けたのが作者なのか、編集者なのか知りませんが、常識を疑います。
それでは、お話自体が酷いのかと問われれば、そんなことはありません。五段階評価なら、私は【3】を差し上げます。特別面白い本ではありませんが、最後まで読むことが出来る内容になっています。
両親に愛されることなく大人になった泉子が、得意な英語を生かして生計を立て始めます。最初は通訳を志すのですが、人から愛されることなく大人になったせいで愛想がなく、コミュニケーション能力が乏しかったので数年で挫折します。次に挑戦したのが翻訳家というわけです。
人が幸せになるためには【良縁】が不可欠なのですが、泉子はここで良縁が訪れます。人格者の社長が経営するアットホームな翻訳会社【タナカ家】に辿り着くことができたからです。
良い仕事場を得て、翻訳家としてのチャンスに恵まれ、恋人まで出来て順風満帆なところにトラブル発生です!
恋人はバツイチで子供がいるのですが、妻に引き取られたはずの女子中学生が泉子の家に乗り込んできたリ、会社の外壁に泉子のことを悪く書いた怪文書が何枚も張り付けられたり、と暗雲が立ち込め始めるのです。
やっと手にした翻訳家としてのチャンスを手に入れ、恋人との関係を良好に発展できるのか否か!?、、、というストーリーになっております。
アラフォー独身女性が仕事に恋に頑張る姿を描いた小説です。