私は、毎朝、《モーニングサテライト》という経済情報ばかり流しているニュース番組を見ています。
そこで、元野村証券副社長という方が、コロナ後の日本経済について語っていたのですが、一点、
「それは、あなたのせいです」
と思うことがありました。
元副社長は、
「これからは、中間管理職はいらない。中間管理職を集めて戦略会議をひらくと彼らは取締役の話を黙って聞いているだけで、質問も意見も言わない。仕方ないので、指名して意見を求めると先に発言した取締役の意見を補強するような退屈な意見ばかりだ。
これが、20代の若手を集めて行うとまったく違い、刺激的な意見がドンドン出て来る。社内の風ばかり読んでいる中間管理職は会社に必要ない。」
私は、国家公務員として20年働きました。20代のころは、上司に意見や企画書を精力的にあげました。しかし、ことごとく却下、無視、ときには、「お前は何もわかっちゃいない」、と説教され、30代の前半になるころには、何を言っても無駄と悟り、目の前の仕事に専念し、10年後の役所のあるべき姿なんてことは考えなくなりました。他の同僚も同じでした。
幹部候補生として採用され、その中で競争に打ち勝ち、幹部にまで登りつめた人たちは強烈なプライドがあり、部下の意見なんて基本聞きません。また、個室を用意してもらえるくらいに出世する頃には50歳を過ぎていて、それくらいの年齢を過ぎた方たちは対処方針を考えるときに【有効か】よりも【前例があるか】の方が大事で、新規の方針を採用することはありませんでした。野村証券も私のいた役所と同様だったのでしょう。
プライドが邪魔をして部下の意見を採用できず、前例踏襲を第一に考える年寄りに何度も叩かれるうちにサラリーマンは社内政治のスキルばかりが高くなるんです。社内の風ばかり読んで、自分の意見を言わず、幹部の命令を忠実に実行するだけの中間管理職を作ったのは、きっと、経営トップの椅子に座っていたあなたです。