南綾子、双葉社
☆☆☆
本の題名から、太った人のダイエットを成功に導く優秀なトレーナーのお話かと思っていたら、まったく違う内容でした。しかし、面白い本だったのでポジティブサプライズでした。
容姿の醜いデブ女が何人も登場します。痩せようとしてアスレチックジムに入会するのですが、誰一人、食欲を制御できず体重を減らせません。でもここで素朴な疑問が登場します。そもそも、女は痩せると必ず幸せになるんでしたっけ?
そうなんです、この本に登場する女たちは最初からデブだったわけではなく、小さなころからブスであることを理由に迫害を受けてきた女ばかりなのです。満たされない彼女たちはそのせいで【快楽=食欲】になってしまい、今の姿があるのです。ですから、
「今はデブでブスだけど、痩せてもブスは治らないよね?」
ということをジムのスタッフが理解させ、それよりも今楽しいと思うことを我慢しないでやりぬこう!、と前向きに生きるように軌道修正するわけです。
そして、それぞれの女たちは、
「もう、他人の評価を気にするのは止めよう。私は私が楽しいと思うことをする!」
と考えるようになり、太った体のままでアスレチックジムを卒業していくのです。
この、《デブでブスのまま、自分らしく楽しく生きる》というゴールにたどり着くまでの思索の道のりが女の数だけあるので、それがこの本のお勧めポイントです。
お金と時間は有限ですから、無駄な努力はせず、他人に迷惑をかけない範囲で自分が楽しいと思うことだけしましょう!