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著者の若林さんは、大多数の人が《まぁ、いっか》とか《仕方がない》と思って深く考えないことでも納得できる理由がないと考えずにはいられない、いわゆるめんどくさい奴です。そんな若林さんが、普段の生活の中で考えていることをつづったエッセイです。
この本を勧められる人はどんな人か考えたとき、まえがきに適当な文章が書いてあったのでそれを転載します。
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ぼくはずっと毎日を楽しんで生きている人に憧れてきた。
ずっと、周りの目を気にしないで自分を貫ける人に憧れてきた。
それは、一番身近な相方であったり、テレビで共演する明るくて前向きで失敗を引きずらず、頭が良くて劣等感を感じさせない人だったりした。
なんとか死ぬまでに、そういう人間になりたいと願ってきた。
だけど、結論から言うとそういう人間になることを諦めた。
諦めたし、飽きた。
それが不思議なことに、「自分探し」の答えと「日々を楽しむ」ってことをたぐり寄せた。
この本には、その軌跡が描かれています。
生き辛いという思いを抱えていて、息をひそめて生きている人はもしよければお付き合いください。
毎日が楽しくて充実しているという人は、今すぐこの本をもとの位置に戻して、引き続き人生を楽しんでください。
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そんなわけで、私のようなうつ病患者は、若林さんの考えに共感することがたくさんあったのですが、全部は紹介できないので私がとくに心に残った文章を一点、これまた転載します。
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ゴルフの帰りに先輩に、
「だいたい自分の能力も分かっちゃって、出来ることが限られていることが分かっちゃって、スーパースターになれないと分かったら、これから何をすれば良いですかね?」
と聞いたら、その方は、
「ベストスコアを維持するっていうのも難しくて面白いんだよ」
とおっしゃっていた。
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若林さんは世間から成功者と賞賛されている人が、
「成功しない奴は努力が足りないんだ」
と言うのが大嫌いなんだそうです。
これには私も同感で、人生を充実させるには【努力】、【才能】、【運】がバランスよく必要で、成功者が努力だけで自分は成功したような言い方をされると胸のあたりがムカムカしてくるからです。ハッキリさせておきますが、古今東西、努力だけで大成功をおさめた人なんておりません。
こんな若林さんに興味をもった方は、ぜひとも手に取って読んでください。同志を得たような気持になるはずです。